かける想い – P.A.WORKS代表取締役 堀川憲司

40年に亘って他の幼児教育とは一線を画す学習方法「KUNOメソッド」を実践してきた<こぐま会>と、国内でも有数の制作力を誇るアニメーション制作会社<P.A.WORKS>のコラボレーションによって始動したこぐまなびプロジェクトにかける想いを、両社の代表より語っていただきました。

P.A.WORKS代表取締役
堀川憲司


アニメーションにおける「物語の役割」

img_hori01-minP.A.WORKSは、2000年の設立から15年、長く人々の心に残る、良質のアニメーション作品の制作を目指してきました。これからは、私たちが作るアニメーションを通して“何がしたいのか、何ができるのか”ということを考え、「物語の役割」を大切にしたいと思っています。

物語には二つの大きな役割があると思います。ひとつは昔話のように、私たちが経験を通して学んだ大切な知恵を、受け入れやすい物語の形にして継承すること。もうひとつは自分の望む未来像を物語として描くことで、そこに向かう力となることです。P.A.WORKSが手掛けるアニメーション作品を通して、この二つの役割を担いたいと考えるようになりました。

 

子どもの好奇心と探究心を育む教育アニメーション

P.A.WORKSはこれまでに多くのアニメーションを制作してきましたが、未就学児を対象にした作品はありません。ただ子どもの好奇心と探究心を育む息の長い教育アニメーションに、いつか挑戦したいと思っていました。

好奇心と探究心はどのように芽生え、育まれるのかにとても興味があります。たぶん最も好奇心が強く、多くのことを吸収できるのは生まれてから数年間でしょう。もしこの時期に好奇心を探究心に発展させ、自分で考えて解決する方法の基礎を楽しく学ぶことが習慣づけられたら、成長してからも自分が思い描く未来の物語を実現させる大きな力になると思います。

その力を身に着ける教育の一端をアニメーションで担ってみたいと考えています。子どもたちが感情移入できるアニメーションのキャラクターと一緒に、身の周りの小さな世界で起こる出来事を観察したり、幼児らしい想像を膨らませたり、物語を組み立てるような、ワクワクするアニメーションを作ってみたいと思っています。

 

KUNOメソッドとアニメーションの融合

未就学児を対象にした教育アニメーションは、とてもやりがいのある挑戦ですがハードルが高いものです。子どもを飽きさせないアニメートの技術、年単位の量産に耐えうる現場の生産システム、良質のものを作る制作費と研究費の調達、学びの体系づけ、未就学児の教育の専門家の助言、視聴が及ぼす影響の研究とフィードバック等、まず私たちが学び、準備するべきことは膨大です。

img_hori03-minこぐま会さんの体系的な教育方法を見せていただきましたが、学びの風景はとても興味深いものでした。机の上の勉強ではなく、少人数を対象にした身体を使った学習で、参加する子どもたちの目はとても生き生きとしています。上手くいかなくて試行錯誤しつつも楽しみながら学ぶ子どもの姿には、大人の私たちが惹き込まれます。初歩的な導入から始めても、一度考え方を身につけると、みるみる高度な応用に対応する子どもたちの吸収力に驚いてしまいました。

今回のこぐま会との共同プロジェクトは、星川さんの熱意から始まりました。40年の実績のある優れたKUNOメソッドを、eラーニングを通して、より多くの未就学児に体験して学んでもらおうというものです。KUNOメソッドの学習カリキュラムと、子どもが馴染みやすいアニメーションの物語とをeラーニングで組み合わせることで、多くの子どもたちが知的で楽しい学びに触れられることに期待しています。P.A.WORKSは、このプロジェクトでの出会いを良い機会と考えて、これからも良質な教育アニメーションの研究開発に取り組んでいきたいと思っています。