「幼稚園では遅すぎる」〜ソニー創業者・井深大が語った幼児教育が重要な2つの理由とは?〜

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「幼稚園では遅すぎる 人生は三歳までに作られる」

戦後の焼け野原から盛田昭夫氏とともにソニーを創業。トランジスタラジオをはじめとした世界初の製品を次々に世に送り出し、ソニーを一躍世界的企業に育てた伝説の経営者・井深大氏が、幼児教育に対して残したメッセージです。

今回は、ソニー創業者・井深大氏が幼児教育に対して熱心に取り組んだ背景と、今も語り継がれる鮮烈なメッセージを残した理由をまとめてみました。

 

ソニーを世界的企業に導いた実業家・井深大氏が、幼児教育に熱心に取り組んだ背景とは?

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井深大氏は、盛田昭夫氏とともに、ソニーを世界的企業に育てた実業家としての多くの人々に知られています。

その一方、幼児教育の研究にも情熱を注いだことでも有名です。1968年に幼児開発協会やソニー教育振興財団などを設立し、幼児教育の研究と推進に取り組みました。
井深氏は、特に3歳までの乳幼児における脳の発達に注目し、幼児教育に対する自身の研究や活動の知見をまとめた著書「幼稚園では遅すぎる 人生は三歳までに作られる」 は、発売から30年以上に渡り、延べ120万人に読み継がれるロングセラーになっています。
そんな井深氏が、幼児教育に興味を持ったきっかけは、大学時代に遡ります。
当時は、大学紛争が吹き荒れた時代。井深氏は教育に対して真剣に考えるようになり、 最初は大学の教育制度について研究を始めました。

しかし、研究を進めていく中で、大学よりも前の段階の教育に 問題があると考えるようになります。そして、最終的に「幼稚園でも遅すぎるのではないか」という結論に達しました。

それに加え、井深氏自身が、知的障害児を持つ親となった経験。そして、著書の中で「0歳からの育て方次第でかなりの能力を伸ばしてやることが 可能だったのに、この子に対して何もしてやれなかった」という後悔の気持ちが、より一層、幼児教育の研究に熱心に取り組むようになったと著書の中で告白しています。

 

「幼稚園では遅すぎる」ソニー創業者・井深大が早期の幼児教育の重要性を語った2つの理由とは?

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1.人間の脳細胞の発達は3歳までに70~80パーセントを終える
「人間の脳細胞の発達は、3歳までにその70~80パーセントを終える」というインパクトのある研究結果が大脳生理学の分野で報告されています。

著書の中で井深氏は、「生まれてきた子どもは未熟で生まれてくるからこそ、その可能性は無限であり、生まれてきてからの環境が非常に大切だ」と説いています。

人間の脳細胞は140億個あるといわれ、そのうち、生涯に渡って実際に使う脳細胞は全体のほんの一部にすぎません。

個々の人間の能力にもよりますが、そのほとんどが3歳までに決まります。

そのため、3歳までの生育環境を左右する両親の幼児教育が重要になると井深氏は語っています。

2.知的教育より先に「心の教育」を
大人の場合は、外部からの刺激を、言葉などのフィルターを通じて「論理的」に吸収します。

一方、3歳までの幼児は、外部からの刺激を、フィルターを通すことなく「感覚的」に吸収します。

そのため、大人との構造的な違いを両親が理解し、3歳までの幼児の吸収パターンに合った形で刺激を与えてあげることが、その後の人間形成に重要だと井深氏は語っています。

また、井深氏の幼児教育に対する主張は、天才の育て方ではなく、豊かな人間に育っていくための土台作りの重要性を示しています。

井深氏の著書の中では「心の教育」につながる興味深いエピソードを交えて、下のような疑問に答えています。

・「遺伝」と「環境」、幼児の能力に影響をより与えているのはどちら?
・「与えすぎ」と「与えなさ過ぎ」、どちらの方が問題?
・「まだ早い」が子どもの成長を妨げている理由とは?

 

まとめ

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幼児教育の目的の一つは「柔軟な頭脳と丈夫な心をもち、明るく
素直な性格の子どもを育てること」と語った井深氏。
人間の 能力や性格には「遺伝的な要素が強く影響している」とされてきましたが、実は「3歳までの幼児期に大きく形成される」ことや「どの子も育て方ひとつで天才にもなるし、劣等生にもなる」という研究結果は、時代を超えて幼児教育の重要性を示しています。