あらゆるコミュニケーションの基礎となる「ランゲージ・アーツ」とは

languageartsこんにちは。星川です。
今週末13日のイベントで森村学園の林教頭先生に少しお話しいただく「ランゲージ・アーツ」。この言葉を初めて聞く方も多いと思いますので、今日は、このランゲージ・アーツについて簡単にご紹介します。

日本語では、「言語技術」と訳される場合が多いようですが、アーツは技術というよりはもう少し広く「学問」と捉えた方が個人的には近いイメージかと思っています。厳密な意味は専門家に譲りますが、ここでは国語教育の範囲の中でも自分の伝えたいことを的確に表現するための言語の使い方とその元となる思考を学ぶ学問としてご紹介していきます。

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「この企画は何が言いたいのか分からない」
せっかく作った企画書をそんな風に返された経験はないでしょうか。また話を聞いていて思わず引き込まれてしまうプレゼンと、そうでないプレゼンは何が違うのでしょうか?

文字の大きさ、太さ? 声のトーン?声色?気の効いた冗談?

もちろんそれも重要です。しかし、伝える、理解されるという場面において重要なのは「誰に」「何を」「どのように」など伝えたいポイントが明確になっていることであり、この時に使う道具は「言語」以外ありません。逆に言えば言葉を的確に使うことが出来れば、言いたいことは伝えられるということです。

そんなの大人だったら当たり前、でしょうか?

では、言語を的確に使う、とはどのような意味でしょう?

1.自分の言いたいことを、必要十分な単語を使って整理する
=自分の頭の中を言語化する=論理的思考
しかし、自分の言いたいことを自分の言葉だけで表現しても相手が理解してくれるとは限りません。

2.相手が誤解しないような言葉を選び、自分の表現を点検する
=相手の立場に立ってモノを見る=批判的・分析的思考
ここで一度自分を相対化する作業が発生します。

3.そして、まとまった内容を、伝わりやすい順序・構成で伝える
=構成力、構造的思考
プレゼンなどでよく言われる「結論を先に言え」もこの部分ですね。もちろん結論をしっかり論理だてて作って置かなければ先に言うことも出来ませんから、1.2.3の順番で考えることになります。

このプロセスをくるくる回した結果として、言葉を的確に使う事が出来るようになるワケです。

どうでしょう?意外と私たちも出来ていませんよね?

このような思考は普段生活している中では、なかなか無意識に出来ることではありません。これをしっかりと訓練し学習して行くカリキュラムが森村学園さんの「ランゲージ・アーツ」と私は理解しています。

こうした母語教育の授業(日本でいう国語)は欧米を始めとする諸外国では「読む」「書く」「聞く」「話す」という4技能をバランス良く伸ばす指導が行われており、全ての教科の基礎になっているそうです。他の教科を学ぶにも言語で学び言語で考えるのですから、当然と言えば当然ですね。(以前からそうした指摘もあります)

一方で日本の国語教育では読解力が重視される傾向があったため、論理的に説明する力、自分の考えを主張する力が弱く日本人のコミュニケーション力不足が課題として指摘されて来たとのこと。

林先生のお話で面白かったのは、この点については、日本は島国だということも関係があるのではないか、というお話。日本は原則単一民族なので、この共同体の中では言葉を尽くさなくてもある程度は分かり合えて説明する必要がなかった、それに対して大陸ではもっと流動的だったから自分を説明するコミュニケーションのスキルが必要だったのでは、ということでした。

私も以前「欧米人が挨拶でしっかり自己紹介するのは自分は敵意がないと表現するため」という本を読んだことがありましたが、それとも共通していると思います。反対に日本的なコミュニケーションでは「空気を読む」などがいわゆる同調圧力の理由の1つになっているのかもしれませんね。ちなみに私自身はそうした「行間を読む」のも必要な技術なので、一概に否定するものでもないと思いますし、恐らくかなりの高等技術ではないかと考えたりもします。

ということでランゲージ・アーツは「言語技術」と言う一見単純な技術論ではなく、このカリキュラムを通して論理的に考える訓練を行い、結果としてコミュニケーションの力を伸ばすことが出来るものなのです。

そうした面を活用して、実はサッカー協会に取り入れられていたり『「言語技術」が日本のサッカーを変える (光文社新書)』、企業研修としても取り入れられるなど、論理的思考力に支えられた「コミュニケーション能力」は非常に求められています。

またグローバルな環境に進んで行く社会においても、相手の話をしっかり聞き、自分の考えを主張できるスキルは今後本当に必須になっていくと思います。
そうした森村学園様の先進的な取り組みについてもぜひ聞きにきて下さい。
お待ちしております。

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森村学園中等部高等部
言語技術プログラム資料
http://www.morimura.ac.jp/pdf/home/lanpro.pdf