「5歳までの教育が人の一生を左右する」〜ノーベル賞経済学者・ヘックマン教授が提唱する、幼児教育で磨くべき「非認知能力」とは?〜」

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「5歳までの教育が、人の一生を左右する」

2000年に労働に関する計量分析手法を発展させた実績でノーベル経済学賞を受賞した、シカゴ大学教授のジェームズ・J・ヘックマンが発した主張です。

今回は、ノーベル賞経済学者のヘッグマン教授が発した主張の背景と幼児教育の関わりについて、まとめてみました。

 

「5歳までの教育が、人の一生を左右する」
ヘッグマン教授の主張の背景とは?

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ヘックマン教授が幼少期における教育の重要性を説く背景として、ヘッグマン教授が実施した2つの研究が挙げられます。

ヘッグマン教授が実施したのは、「ペリー就学前プロジェクト」「アベセダリアンプロジェクト」という2つの研究です。

恵まれない家庭の子どもたちを対象に、2つのグループに分けて幼少期〜成人するまでの期間に追跡調査を行うことで、幼少期の環境を実質的に改善する事実を導き出すという研究でした。

そこからヘックマン教授は、幼児教育や就学前教育の重要性に対して、2
つのポイントを導き出します。

一つ目は、「就学前教育がその後の人生に大きな影響を与える」こと。

二つ目は、「就学前で重要なのは、IQに代表される認知能力だけでなく、忍耐力、協調性、計画力といった非認知能力も重要」ということ。

特に二つ目の非認知能力については、これまでの幼児教育のあり方を変える能力として注目を集めています。

 

幼児教育で重要性が認識され始めている「非認知能力」ってなに?

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非認知能力とは、IQとは別に、「やる気」「自信」「協調性」「粘り強さ」「忍耐力」「計画性」などの、社会的・情動的性質を表す能力を指します。

テストなどで数値化される機会が少ないため、「目に見えづらい能力」とも言われます。

冒頭の主張を放ったヘックマン教授をはじめとして、最近の教育論では、IQに代表される認知能力だけでなく、非認知能力の高さが社会的成功に結びつきやすいのではないかという主張が増えています。

非認知能力を高めるには、幼児期のしつけ・就学前教育への投資・質のよい介入などを実践することが重要とされており、現在、具体的な評価方法や指導法の研究が続いています。

例えば、非認知能力を新しい入試の評価基準に盛り込むことが決定されたり、東大や京大がAO入試導入を進めたりするなど、非認知能力に対する主張は、2020年から改訂される大学入試にも影響を与えています。

社会人の場合、「資格を持っているだけでは、実務に役立たない」と言われるのと同じく、知識や技能を活かしつつ、他者と協力して一つの仕事を作り上げていくような協調性・社会性も、一つの非認知能力の例といえます。

 

まとめ

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世の中全体の流れとして、次代を担う子どもたちを正当に評価するためには、知識や技能面の評価だけでなく、ヘックマン教授の主張する非認知能力も重要視されてきています。

今回紹介した「非認知能力」は、幼児教育の在り方を変える重要な能力なので、知っておいて損はないでしょう。